はじめに
サイト制作をはじめ、デザイン制作やマーケティング、さらにはシステム開発の要望を正しく伝えるのは簡単ではありません。
判断基準がないと、つい価格や見た目の印象だけで決めてしまいがちです。
そこで役立つのが提案依頼書(RFP)です。
特に石川県や北陸地域でのプロジェクトでは、地元企業との連携が重要となる場合もあります。
明確な指標を持つことで、適切な業者選定ができ、プロジェクトの成功につながります。
プロジェクトの失敗を防ぐためにも、提案依頼書(RFP)の作成は重要なステップです。
ビジネスにおいて基本となるこの文書は、コンペやプロポーザル、入札の場面でも活用されています。
普段の言葉で「困っていること」や「実現したいこと」を書き出し、少し整理するだけで十分です。
この記事では、サイト制作、デザイン制作、マーケティングをテーマに、成功する提案依頼書(RFP)を作成する方法を基本から丁寧に解説します。
さらに、業者選定のポイントや目的に合ったウェブサイトのタイプについても詳しく解説します。
ぜひ、以下から無料のRFPテンプレートをダウンロードしてご活用ください。プロジェクトをスムーズに進めるお手伝いができれば幸いです。
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※弊社では提案依頼書(RFP)の制作サポートもおこなっております。石川県を含む北陸地方のお客様も、ぜひお気軽にご相談ください。
1.RFPとは?
RFP(Request for Proposal)は、業者に「どのような仕事を依頼したいか」を伝えるための提案依頼書です。
ビジネスにおける基本的なコミュニケーションツールといえます。
例えば、サイト制作では「古いサイトをモバイル対応に」、デザイン制作では「ブランドを強化するロゴを」、マーケティングでは「SNSを活用して集客を増やしたい」といった依頼に使用します。これにより、業者は具体的な提案や見積もりを提供しやすくなり、希望が明確に伝わることで無駄なやり直しを減らせます。
コンペやプロポーザルの場面では、複数の業者から質の高い提案を集めるための重要な資料となります。
明確な要件を提示することで、競争を有利に進めることができます。
2.提案依頼書(RFP)を作成するメリット
RFPを作成することは、サイト制作、デザイン制作、マーケティングのプロジェクトを成功させる基盤となります。主に4つのメリットがあります。
課題の明確化
「サイトが古い」「デザインが時代遅れ」「集客が伸びない」といった課題を明確にし、業者に共有できます
提案の収集
サイト機能、デザイン案、マーケティング施策など、多様なアイデアや見積もりを集めることが可能です
効率よく進める
予算やリソースが限られている場合でも、無駄を最小限に抑え、スムーズな進行が実現します
自社のシステムを客観的に見直せる
普段見落としがちな課題や改善点を洗い出し、目的に合った方向性を見極められます。
3.具体的な書き方
RFPは誰でも作成可能なシンプルな文書です。まず普段の言葉でアイデアを書き出し、以下の項目に当てはめて整理するだけで十分です。具体的に記述することで、プロジェクトのイメージが明確になり、業者にも意図が伝わりやすくなります。以下に15項目とその書き方を示します。
テンプレートの例とともにご確認ください。
サンプルを参考にすることで、より効果的なRFPが作成できます。
1.提案のご依頼にあたり
本書は協力会社を選定する目的で実施するものということを簡潔にまとめます。
2.会社概要
自社の基本情報をまとめます。
3.プロジェクトの背景と目的
RFPの目的(何を頼みたいか)と、なぜ必要になった経緯を簡潔に書きます。背景と目標を記述することで業者とのイメージの共有が鮮明になり、より伝わりやすいRFPになります。
4.プロジェクトのスコープ
依頼する範囲を決めます。何を業者に依頼し、自社で対応するのかを明記すると、業者の対応範囲が明確になります。
5.現状の課題と要望
今抱えている問題を具体的に挙げます。サイトの使いにくさ、デザインの古さ、集客不足など、業者に伝えるべきポイントを明確にしましょう。
6.求める要件
業者に求める要件を書きます。必須と歓迎条件を分けると、どんなスキルが必要かが明確になります。
7.提案依頼内容
業者に求める提案内容を具体的に記載します。プロポーザルや入札の際は、比較しやすいフォーマットで依頼するとスムーズです。
8.予算
金額を明記することで、業者が適切な提案を行いやすくなります。
9.納品物
受け取る成果物を具体的に記載します。形式や内容を明確にすることで、期待する納品物の認識を統一できます。
10.提案書に含めて欲しい内容
提案書に求める項目を挙げます。具体的な内容を指定すると、業者が提案の構成が整理され、比較や判断がしやすくなります。
11.スケジュール
スケジュールを決めます。開始や締め切りを明記すると、プロジェクトの流れが明確になり、業者が計画を立てやすくなります。
12.評価基準
評価の基準を示します。重視するポイントを明確にすることで、業者は適切な提案を作成でき、選定もスムーズになります。
13.公開後の保守管理
完成後の運用について記載します。管理の頻度や内容を具体的にすることで、業者の対応方針が明確になります。
14.契約に関する条件
契約の条件を明示します。費用や期間を具体的に示すことで、業者も安心して提案を行えます。
15.提案書提出先・窓口
最後に提出先を書きます。
書き方のポイント
まず自分の言葉でアイデアをできるだけリストアップし整理しましょう。
それをテンプレートで整えることで、業者に伝わりやすく信頼感のあるRFPが完成します。
結局のところ、業者に要望が明確に伝われば提案依頼としては大成功です。
なので「何を伝えたいか」を意識して書き出していきましょう。
4.RFPの作成手順
RFP作成を円滑に進めるため、以下の6ステップをご紹介します。これで初めての方でも安心して取り組めます。
1.プロジェクトチームの編成
プロジェクトに関わるメンバーを選定します。例えば、サイト運用担当者、デザインを確認する社員、マーケティングに知見のある者を数名で構成。少人数でも、役割を明確にすれば十分です。
2.目的の確認、現状把握
プロジェクトの目的(例:「サイトで集客を増やす」)をチームで確認し、現状の課題(例:「サイトが古い」「集客が少ない」)を洗い出します。具体的な問題点を共有することが重要です。
3.解決策の設計
課題に対する解決策を検討します。例えば、「スマートフォン対応を強化」「デザインを刷新」「SNSで集客」など、具体的な方向性をチームで決定します。
4.RFP作成・提出
「具体的な書き方」を参考に、課題や解決策をRFPにまとめます。完成後、チームで内容を確認し、業者に提出します。入札やコンペの場合は、配布方法も検討しましょう。
5.各社からの提案・見積もり
提出後に届いた提案書や見積もりを確認します。サイトのデザイン案やマーケティング施策が含まれているか、要件に合致しているかをチェックします。
6.各社との調整・契約決定
提案内容を比較し、候補企業と調整を行います。「予算内か」「スケジュールは現実的か」を確認し、最適な1社と契約を締結します。
この手順を踏むことで、計画的に進められます。石川県や北陸地方の企業でも、この手順に沿えばスムーズなプロジェクト進行が可能です。
5.失敗例と対策
5-1.よくある失敗と回避法
RFP作成時には見落としがちな点があります。失敗事例から学ぶことで、より効果的なRFPが作成できます。
以下に、よくある失敗と回避法を5つ挙げます。
・曖昧な記述で的外れな提案が届く
回避法:「スマートフォン対応」「モダンなデザイン」「SNS活用」など具体的に記載。数字(例:問い合わせ月20件)を加えると明確です。
・期限を明記せずスケジュールが混乱
回避法:「2025年12月までに完成」など、明確な期限を記載します。
・デザイン重視で業者を選び失敗
回避法:見た目だけでなく、実績や目的達成への提案力を評価します。
・結局コストで決めがち
回避法:「サイト制作」「デザイン制作」「マーケティング」の相場を理解した上でRFP作成前に「100万円」など、予算を具体的に提示します。
①標準相場を知る。参考書籍
②目標の売上に対して広告費を算出
・通販やサービス業:15~20%程度
・化粧品業:約10%
・流通業:1~3%程度
・自動車業界:1~2%程度
・金融・保険業:7%程度
・外食・関連サービス業:6%程度
・教育業:2%程度
・現場と上長の意見が合わない
回避法:RFP作成前に現場と上長で話し合う場を設け、優先順位や目的をすり合わせる。必要に応じて、意見の違いを整理した資料を作成し、合意形成を図ります。
5-2.業者選定の重要性
RFPの効果は業者選定で大きく左右されます。デザインに注目して選んでしまうと、「集客につながらない」「使い勝手が悪い」といった結果になりかねません。
特に入札やコンペの場合、評価基準を明確にしておくことが重要です。
目的がズレるリスクもあるため、ウェブサイトのタイプを理解しておくことが有効です。
5-3.ウェブサイトタイプの解説
・デザイン型
デザインを一新し、企業のブランドイメージを強化。 例えば、古いサイトを洗練されたデザインに変更することで、「信頼できる企業」という印象を高めます。
石川県や北陸の伝統工芸品を扱う企業などに適しています。
おすすめの事業者:イメージが大切なビジネスモデル
ポイント: デザインに予算を集中し、機能の追加は最小限に抑えます。
・バランス型
デザインと機能・マーケティングをバランスよく改善し、企業情報を充実。 例えば、採用ページを強化して応募を増やし、Web広告の運用を見据えたコンテンツ企画を行います。システム開発との連携も考慮します。
おすすめの事業者:ブランディングは大切にしつつ、成果にもこだわっていきたい会社
ポイント: 見た目の改善と使いやすさの両方を意識して設計します。
・マーケティング型
問い合わせや商談の増加を目指す。 例えば、SEO対策で検索上位を狙い、問い合わせフォームを使いやすく改善。さらに、SNS広告を活用して新規顧客を獲得など、ビジネス成果を最優先します。
おすすめの事業者:売上向上を最優先し、成果に直結する施策を求める会社
ポイント: デザインはシンプルにし、成果を最大化する構成にします。
自社の目的に合ったタイプを選び、RFPに明記しましょう。
6.提案選考の進め方:4つのシンプルなステップ
RFP完成後、業者からの提案を選定します。以下の4ステップで進めます。特にコンペやプロポーザル、入札においては、選考プロセスが重要です。
1.提案を受け取って確認
届いた提案書を確認し、「デザイン案が含まれているか」「マーケティング施策が具体的か」「システム仕様は要件を満たしているか」をチェックします。
- 全ての要件への回答が含まれているか
- 見積もりが予算内に収まっているか
- スケジュールが希望期間内か
- 提案のクオリティや独自性はどうか
この段階で明らかに要件を満たしていない提案は除外します。
2.チームで優先順位を決定
「デザイン」「利便性」「集客効果」「システム性能」など重視する点をチームで話し合い、基準を定めます。石川県や北陸地方での実績も評価ポイントになります。
3.提案を比較
RFPの目標に基づき、提案内容を評価します。
- デザイン力(10点)
- 技術力(10点)
- マーケティング視点(10点)
- 実績と信頼性(10点)
- コストパフォーマンス(10点)
- 提案の独自性(10点)
- スケジュールの現実性(10点)
- サポート体制(10点)
2〜3社に絞ります。プロジェクトの性質に応じて、重視すべき項目に重み付けをすることも効果的です。
4.業者と調整して決定
最終候補との詳細な打ち合わせを行い、以下の点を明確にします。
- 契約条件(支払い条件、納期、ペナルティなど)
- 具体的な進行スケジュール
- コミュニケーション方法と頻度
- 成果物の詳細と品質基準
- 追加費用が発生する条件
全ての条件に合意したら、正式に契約を締結します。
選考プロセスのポイント
- 選考基準を事前に明確にし、チーム内で共有しておく
- 感情や印象だけでなく、数値化した評価を基に判断する
- 価格だけでなく、総合的な価値(費用対効果)で判断する
- 過去の顧客や紹介先への確認も有効
- 長期的なパートナーシップの可能性も考慮する
このような段階的な選考プロセスを経ることで、プロジェクトに最適な制作会社を選定できます。特に石川県や北陸地方の企業では、地域特性を理解し、継続的なサポートが期待できる制作会社を選ぶことが重要です。
選考プロセスの進行表例
RFPから契約までの全体で2〜3ヶ月程度を見込むと、余裕を持ったスケジュールが組めます。
7.制作会社を選定するときの注意点
RFP作成後、各社から提案を受け取ったら、制作会社の選定段階に入ります。この段階は特に重要で、プロジェクトの成否を左右します。価格や見た目だけで判断せず、以下の4つのポイントを重点的に考慮しましょう。
実績と提案の具体性
制作会社の実績は重要な判断材料です。ポートフォリオの質や量、特に自社と類似した業界での成功事例を確認しましょう。石川県や北陸地方での実績があれば、地域特性への理解も期待できます。
良い提案書は単なるデザイン案だけでなく、課題解決へのアプローチが具体的です。「サイトをリニューアルする」だけでなく、「スマホユーザーの離脱率を20%下げる施策」など、具体的な目標と戦略が示されているかを重視しましょう。
コミュニケーション能力とチーム体制
プロジェクト成功の鍵は、制作会社とのコミュニケーションです。問い合わせへの対応スピードや質問への回答の的確さは、今後の進行をイメージする上で重要な指標となります。
また、プロジェクトを担当するチームのスキルと経験も確認すべきポイントです。特にプロジェクトマネージャーの経験と実績は、進行の円滑さに直結します。途中で担当者が変わる可能性についても確認しておくと安心です。
アフターサポート体制
サイト公開後のサポート内容も重要な選定ポイントです。保守・運用の費用と範囲、緊急時の対応時間、SEO対策やコンテンツ更新などの継続支援について明確にしておきましょう。
特に中長期的な運用を見据えた場合、制作だけでなくその後のサポート体制が充実している会社を選ぶことで、安定したサイト運営が可能になります。
価格と契約内容の明確さ
見積もりの内訳が明確で理解しやすいかをチェックします。追加費用が発生する条件が明示されているか、同様のプロジェクトの相場と比較して適切か、支払い条件やスケジュールが自社に合っているかを確認しましょう。
最終段階では、契約内容の明確さも重要です。著作権や所有権の帰属、納品物の範囲と形式、納期遅延時のペナルティ、修正回数や範囲などが具体的に示されているかを確認しましょう。特に重要な点については、口頭の約束だけでなく、必ず契約書に明記しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
価格や表面的なデザインの良さだけでなく、これらのポイントを総合的に評価することで、自社の課題を深く理解し、適切な解決策を提案できる制作会社を選ぶことができるでしょう。
7.まとめ
サイト制作、デザイン制作、マーケティングのプロジェクトを成功させるには、提案依頼書(RFP)が必要不可欠です。課題や希望を整理して記載すれば、業者に意図が正確に伝わります。業者選定やウェブサイトタイプを意識することで、失敗リスクも低減できます。
石川県や北陸地方の企業でも、コンペやプロポーザル、入札を通じて最適な業者を選定するためには、RFPの作成がビジネス成功の基本となります。
この記事を参考に、提案依頼書(RFP)作成から選考まで無理なく進めてみてください。
ご不明点があれば、以下のテンプレートをご活用ください。
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