SEOはWebサイトの運用でちゃんと結果を出したい時に欠かせない手法になっているといっても過言ではないでしょう。
そんなSEOの基礎知識やSEOの始め方やSEOに対する考え方を徹底的にご紹介いたします。
そもそもSEOやSEO対策とは?
SEOとは、”Search Engine Optimization” の略称であり、日本語では検索エンジン最適化を意味します。検索エンジンにちゃんと評価してもらい検索結果でWebサイトを露出の高い検索結果にするといった活動のことを昨今では総じて「SEO」と読んでいます。またSEOではなくSEO対策と呼ばれる方も多数いらっしゃいます。SEO対策とはSEOにおけるテクニックや手法のことを指していますが一般的にはSEOと同義と捉えて問題ないでしょう。
SEOの歴史
現在のSEOに至るまで色々なSEOに関する手法があり、そして消えて行きました。俗に言うブラックハットと言われる手法になります。Webサイト狙ったキーワードのテキストを羅列し、白文字にしてテキストを隠してみたり、相互リンクを募集して関連のないサイトと紐づけてみたり…実際にこれらの手法は過去に当たり前のように行われていました。そして、検索エンジンのアルゴリズムのアップデートとともにそれらのブラックハット系のSEO手法は消えて行きました。過去のSEO手法が今でも通用するかと言えば通用しないでしょう。なぜなら検索エンジンでは日々賢くなり、よりユーザーの求める検索結果を表示するように進歩しているからです。つまり裏を返せば、ユーザーの求める答えに対して正しい答えを与えることができるWebサイトは検索結果で上位表示を守り続けることができると言えるでしょう。
>>SEOにおけるホワイトハットとブラックハットの違い
SEOを行う上で、今後企業が最も考えなければならないこと
ブラックハット系のSEOが機能しなくなり、今後私達がやらなければいけないSEOの手法は「ユーザーの求める最良のコンテンツを提供すること」近年ではコンテンツSEOと言われていますが、コンテンツSEO自体昔から存在しておりブラックハットSEOの対極としてホワイトハットSEOと呼ばれてきました。そして、企業がコンテンツSEOを行う上では自分たちの求めるターゲットユーザーをSEOにより自然検索で集める事のできるSEOの戦略が必ず必要になってきているでしょう。
つまり、自社のWebサイトを活用したいからSEOを行うのではなくSEOによってターゲットユーザーを集めたいからWebサイトを作るといった考えこそがマーケティングの本質なのではないだろうか。
>>コンテンツSEOとは?
SEOで得られるメリット
SEOを行うことで得られるメリットは上位表示だけといったWebマーケティング施策の一部だけでなく、SEOを起点にWebサイトを活用することでビジネス全体に影響をもたらすことができるといえるでしょう。
例えば、リスティング広告などのWeb広告を活用している企業ではSEOにより上位表示キーワードが増えることでリスティング広告の費用を削減することができるでしょう。また、SEOでの1キーワード1サービスといったランディングページ改修を行うことで、リスティング広告運用における「広告出稿ページとキーワードの関連性」の改善ができます。このことよりリスティング広告でのキーワードごとの品質スコア改善に連動しクリック単価を下げることができ経費の削減及びCVRの向上も期待できるでしょう。
また、企業における主要のキーワードで上位表示をすることで企業にとっての「ブランディング効果」も期待できます。企業には必ず自社の強みがありその強みを活かしたサービス・商品があるはずです。そのキーワードにSEO対策を行うことで、対象地域でこのサービス・商品はこの企業がメインとユーザーは思うでしょう。検索結果で自然検索での上位表示とリスティング広告で上位表示を組み合わせることでページ上部の占有率を高めることができる点もSEOを軸としたデジタルマーケティングとして有効な手段と言えるでしょう。
Web以外の広告とも関連性はあります。近年テレビコマーシャルや雑誌などで見る機会が増えた「〜〜〜で検索!」といったフレーズですが、これもSEOを主軸としたデジタルマーケティングといえます。対象のキーワードでSEOで上位表示ができたからこそのメリットといえるでしょう。仮に「〜〜〜で検索!」とリリースし、上位は他社ではせっかくの広告効果も半減してしまいます。
上記以外でもSEOには多くのメリットがあります。もちろん、上位表示によりセッション数が増えコンバージョンが増えることは容易に想像できますよね。検索結果の1P目でも1位と10位ではクリック率に5倍近い差が出るといった検証結果がありますので上位表示は多くのユーザーに周知するためにも有効です。しかしSEOは単純に検索上位表示させる手法といった考え方ではなくそれらに関連する多くのデジタルマーケティング手法のきっかけになるといえるでしょう。
>>ディスクリプションの修正でクリック率が大きく変動する
SEOと検索エンジンと検索アルゴリズム
SEOを行うにおいて、検索エンジン・検索アルゴリズムについて頭の片隅にいれておきましょう。SEOを効果的に行う上で知っておいて損はないかと思います。
検索エンジンとは、GoogleやYahoo!、Bingといったキーワードに対して適切な回答を出してくれるプログラムになります。莫大なWebページをランキングアルゴリズムによって順位付けをしております。
日本での検索エンジンの利用者シェアはGoogleがダントツで70%近くのシェアを獲得していますのでSEO=Googleといっても問題ないかと思います。またYahoo!もGoogleと同じアルゴリズムを使用しているのでGoogleを抑えておくことがSEOの定石と言えるでしょう。
実務的に使うSEOの手法
1.キーワード選定&リサーチ
まずは、自社のWebサイトのページごとにどのキーワードで上位に表示をさせたいかを事前に決定しておきましょう。ここで最も注意してほしいのは1キーワードのみを対象とするのではなくあくまでもメインキーワードとして考えるほうが得策と言えるでしょう。1キーワードに固執するあまり、他の即効性のある今すぐ客が調べるであろう複合キーワードを疎かにしてしまったり、ビッグキーワードは結果がでにくく途中でSEOを断念してしまうことが非常に多いためので「SEOは点ではなく、面で攻める」といった事を念頭においておきましょう。
まずはじめに覚えておきたいSEOの第1歩
・1キーワード1ページ
まず、対象のSEOを行いたいキーワードの設計ができたらそのキーワードであげたいページを決めましょう。よくやりがちな間違いとしてはTOPページに対象となるキーワード(商品名・サービス名) で検索結果をあげようとします。しかし、TOPページでは、それらを網羅することは難しいので詳細ページ・サービスページを作りそこで1キーワードを設計するのが理想的かつ結果の出やすい「1キーワード・1ページ」戦略と呼んでいます。
・共起語
共起語とは、対象のキーワードに起因するキーワードのことです。
例えば「SEO」というキーワードの共起語は
「セミナー」「方法」「やりかた」「対策」「コンサル」などがあげられます。これらも1キーワード1ページの設計でページを作り、もととなるキーワードページにリンクバックすることで元となるページを強化することができます。現在でもかなりの確率で結果を出すことのできるSEO(内部施策)として効果的な手法と言えるでしょう。
>>共起語とは?共起語の調べ方やツールの紹介
2.SEOにおける内部施策について
SEOをおこなう上で必ずやって行かなければいけないのが「SEO内部施策」です。
被リンクを送る外部施策とは異なり、簡単に実行することはできません。もちろん時間やお金といったコストもかかります。しかし、急なアルゴリズムアップデートなどにも強く安定した検索結果を生み出してくれるでしょう。そんな避けては通れないSEO内部施策についてご説明します。
・各タグ設計
・パンくずリスト実装
・内部リンクの最適化
>>タイトルタグを変えるだけで劇的にSEOは加速する
・SEOの基礎「タグ設計」
内部SEOを行う上で、必ずタグの設計を行いましょう。
ちなみに、ここでいうタグは「Title」「h1」「h2~4」を指します。
SEOを行いたいキーワードをマッピングし、そのキーワードを各ページごとに設置しタグを調整しましょう。タイトルタグには必ずキーワードを入れること、h系タグには共起語を盛り込むことを忘れずに。内部施策におけるキーワードの出現率はSEOには起因しないという業者もいますが、これまでの経験上必ず起因するといえるでしょう。故意に羅列するだけの共起語の配置ではペナルティをくらうのは当然ですが、特定のキーワードに対して中身の濃いコンテンツを作った場合、必然的に出現率があがります。10%以上の出現率ではペナルティ対象になる可能性があるのでその点には注意が必要です。
SEOライティングでは、文中の「名詞」を「代名詞(これ・あれ・それetc)」に変えないようにしましょう。これあれそれといった代名詞を使うことでキーワードの使用回数が減ります。ですが、名詞の連続は読みにくさに繋がりますので、あまりしつこくなりすぎないさじ加減が重要です。
・パンくずリスト実装
パンくずリストとは、ユーザーがWeb上で迷子にならないためにあります。そんなパンくずリストはユーザビリティだけでなく内部SEOにおいてもはずすことはできません。
パンくずリストを設置をするメリットとしては、以下があげられます。
1.ユーザーが今どのページにいるのかがひと目でわかる。
基本的にWebのサクセスとしては、商品ページやサービスページといった下層の詳細ページにランディングする場合が多いでしょう。そんな時に、カテゴリをしっかりとわけパンくずリストを設置することでユーザーの回遊性が向上し、「ページ/セッション」に貢献することができるでしょう。
2.検索エンジンのクローリングを促す
Webサイトの階層がわかるパンくずリストを設置することで、クローラーのWebサイトに対する構造理解を促進することができるといえるでしょう。
・内部リンクの最適化
内部リンク対策は忘れがちになりますが、しっかりと抑えておくことでSEOに効果的に作用します。
内部リンク対策とは特定の上位表示死体ページに対して、関連した共起語に対するページからリンクを集めることです。
例えば、「SEO」にたいして書かれた記事を上げたい場合には共起語となる「内部対策」「外部対策」「被リンク」などのキーワードで書かれたページの中に「SEO」ページへの関連記事はコチラを促しリンクを送ります。対象となる「SEO」に対するページでは共起語のページへはリンクを送らず受け取るだけにしておきます。
おすすめの方法としては、h2などの見出しワードと下層ページのタイトルをあわせておくことがいいでしょう。
3.SEOにおける外部対策について
SEOにおける外部対策とは、Webサイトの中身の部分におけるSEO施策ではなく、自分のWebサイト以外のWebサイトから紹介される(リンクを張ってもらうこと)事指します。闇雲にリンクを送ってもらうのではなくリンクの送り元との関連性も重要になります。俗にいうSEOの外部対策は外部SEO、外部リンク対策、被リンク対策、バックリンク対策などSEO業者によって異なります。
・被リンクとは?
被リンクとは、他のWebサイトから自分のWebサイトに向けて設置されたURLリンクのことを言います。
自然な被リンクを受けるには下記の要件が主な要因となります。
・企業・サービスの紹介
・ブログなどのお役立ち情報/専門的な記事が引用される
・中身の濃い共感を得ることでの拡散
これらを意識しながら、Webサイトを強化していくことが外部SEO対策として結果をだす近道と言えるでしょう。
自然な被リンクはSEOにおいて重要度が高い
なぜ、被リンクがSEOにおいて重要なのかというと「キーワードや共起語」といった内部のSEO対策だけでは検索エンジンが本当に価値のあるコンテンツなのか判断ができないからです。そこで、内部のSEO対策と合わせて「コンテンツの正当性を第三者からの評価」を「被リンク」を通じて判断しているのです。以前は、内部コンテンツよりも被リンクの数やリンク元のサイト規模などが重要視されていましたが現在では内部・外部のSEOにおける重要度は7:3で内部コンテンツが重要となっているでしょう。
忘れてはいけないモバイルファーストとSEOの関係
Googleでは2018年3月よりモバイルファーストインデックスを開始しました。
このことより今まではPC用のサイトやページをクローリング対象としてインデックスしていましたが、今後はモバイルページを主として判断基準にしインデックスされるのでモバイルページとPCページを分けていたWebサイトでは検索順位の急変動が予想されます。
スマートフォン対応は2018年以降必須条件となりますので、SEOを行う際には忘れず対応しておきましょう。
SEOにおけるSSL化やamp化は今後重要性が高くなる
コンテンツが重視されるとは言え、それ以外の要素も加点対象となるので追加で対策を行いましょう。
SSL化(https化)やamp化は現在では絶対必要条件とはされておりませんが、SSLに関しては世界的には当たり前になってきております。むしろ日本が遅れているといえるでしょう。SSLに関しては、簡単にできるので内部施策・外部施策の合間に済ませておくといいでしょう。SSL化で注意していただきたいのがSSL化の後には「サーチコンソールとGoogleアナリティクスの再設定」が必要となることです。再設定しないと正確な数字が取得できなくなってしまいますのでお忘れなく。
コンテンツができたら忘れずインデックスリクエストをしましょう
コンテンツができたらSearch ConsoleのFetch as Googleでリクエストとサイトマップの送信をしておきましょう。
コンテンツができて、検索結果に表示されるようになるまで以外にも時間がかかります。しかし、サイトマップの送信やインデックスリクエストを送ることで短期間でインデックスされます。
GoogleのJohn Mueller氏もインデックスリクエストに対しては速度が上がると言っていますので、コンテンツ制作+インデックスはセットと覚えておきましょう。
最後に SEOで繰り返される偶然を必然に変え、経営改善に結びつける
SEOでWeb集客ができるといったことではなく、企業の売上にしっかりと貢献することができます。もちろん売上につながる導線設計は必要ですがしっかりとしたSEO運用ができれば大きく企業の成長につなげることができるといえるでしょう。
すでに効果がでなくなったこれまでの被リンクを送るだけのSEO業者はリンクを送るだけなので工数も少なくSEO費用が低めにされていますが、戦略的なSEO運用では企業内の担当者をはじめ外部のSEOコンサルタントやWebデザイナー、コーダー、ライターと多くの人間の力を集結させある程度のSEO費用を投資しないと効果の出るSEOは実現が難しい時代となりました。
特に経営改善として、今後よりWeb活用は外すことのできない時代になっていますので、新規事業の立ち上げや事業再生といった状況ではWeb制作とは別にSEOコンサルティングの運用費を事前に予算組しておくことが早期のマネタイズに繋がるでしょう。